この度、T.I.P.では御苗場と共同主催で、「写真作品制作のための9日間のオンラインレクチャー」を御苗場会期中に開催することとなりました。作品制作のプロセスや広報活動、出版までの道のりや写真作品の価値を戦略的に上げる方法など、今の時代を生き抜くためのヒントを11名のゲストから学ぶオンライン講座を開催します。さまざまな視点から、これからの活動のヒントを学んでください。
開催スケジュール
10/15(木)19:00-20:00 写真家のためのYouTubeガイド
10/16(金)19:00-20:00 オークションで評価が高い写真作品。戦略的価値の上げ方
10/17(土)19:00-20:00 「祝!結婚した」が写真集になるまで~ブライダルフォトから生まれた家族写真~
10/22(木)19:00-20:00 説得力のある作品制作のためのコンセプトメイキングと実践
10/23(金)20:00-21:00 写真家のための広報講座 ~発信力を高めるメディア戦略~
10/24(土)20:00-21:00 御苗場をキッカケとしたギャラリー所属作家までのプロセス
10/29(木)19:00-20:00 写真は美術か?写真とアートの境界線について
10/30(金)19:00-20:00 写真作家活動におけるコレクティブの可能性
10/31(土)14:00-15:30 あれからーールワンダ ジェノサイドから生まれて
作品制作や出版・販売までの戦略やプロセス、写真プロジェクトについて学ぶ、9日間のオンラインレクチャー
参加方法
[1]御苗場 作品出展(壁・テーブル・スライド)プラン
[2]御苗場 海外レビュー&オンライン講座参加プラン
[3]オンライン講座のみ参加プラン(参加料:9つまとめて参加 16,500円、単発参加 3,300円/1講座)
現在[1]作品出展プラン[2]海外レビュー&オンライン講座参加プラン のお申込みを受付中です。
[3]オンライン講座のみ参加プランは
こちらよりお申し込み下さい。
写真家のためのYouTubeガイド|10/15(木)19:00-20:00
作家として活動する傍ら、写真ワークショップ2Bを主宰する渡部さとるさんは、最新刊で現代アート化する写真について経験を踏まえた考察をし、難しい表現はさけて読み物になるように構成した「じゃない写真」(梓出版)を上梓。そして、2019年8月に開設したYouTube「2B Channel」は、写真作品、写真集、撮影の話からアートの話題まで展開し、写真作品制作に携わるひとにとって興味深い情報を発信しているチャンネルを運営。そのプロセスで写真家にとって有効なYouTube活用についてお話をいただきます。
渡部さとる
1961年山形県米沢市生まれ。 日本大学芸術学部写真学科卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。 スポーツ、報道写真を経験。同社退職後、フリーランスとして、 ポートレートを中心に活動。2006年よりギャラリー冬青にて作 家活動を本格的に開始。2019年よりYouTube「
2BChannel」を配信中。2020年1月に出した『じゃない写真』(梓出版)は、 現代アート化する写真について、 経験を踏まえた考察をし、難しい表現はさけて、読み物になるように構成しています。「 最近の写真はさっぱりわからない」 という方に是非読んでいただけたらと思います。
オークションで評価が高い写真作品。戦略的価値の上げ方|10/16(金)19:00-20:00
世界的なオークションハウスのひとつサザビーズの元日本代表であり、現在は若手作家を応援するオークションを主催するAGホールディングスを設立している柴山さんをお呼びして、オークション市場の仕組みをはじめ、その市場で評価される作品の特徴についてレクチャーを頂きます。また、特に写真作品で評価を得ている作品についてや、評価を得るために必要な情報をレクチャーいただきます。
柴山哲治
株式会社AGホールディングズ代表取締役。一橋大学経済学部卒業後、三菱商事に勤務、同社退社と同時にハーバード・ビジネス・スクールへ留学ハーバードでMBA(経営学修士)取得後、米国ニューヨーク・ロックフェラー家のファミリー・オフィスであるRockefeller & Co., Inc.に入社(ロックフェラー家は、MoMA、メトロポリタン美術館等の創業家)その後、世界的なオークション会社サザビーズの日本代表を経てAGホールディングズを設立し現在に至る。同社は芸術を通して企業価値を上げる取り組みや、企業・行政・教育機関・NPOによる社会貢献や文化・芸術支援プログラムの企画・運営を行う。また、大学で文化・芸術と経済・ビジネスとの関わりを論ずる授業で教鞭をとり芸術・文化と社会の接続等を教えている。和英バイリンガルのオークショニアとしても経験が豊富である。
www.ag-h.net
「祝!結婚した」が写真集になるまで~ブライダルフォトから生まれた家族写真~|10/17(土)19:00-20:00
2019年9月に御苗場に出展後、1年後の2020年8月に写真集「祝!結婚した」を赤々舎より出版した花井達さん。赤々舎で出版したいという思いで御苗場出展を決めてから、どのようにキッカケを掴んでいったのか。また、赤々舎代表の姫野希美さんに写真集刊行を決めた花井作品の魅力についてお聞きします。
花井達×姫野希美
花井達
1978年、愛知県名古屋市生まれ。2000年、中京大学法学部卒業後フォトスタジオへ入社。2007年、フリーランスフォトグラファーとして活動開始。受賞歴:ジャパン ウエディングフォト グランプリ2009 グランプリ/準ブランプリ、ジャパン ウエディングフォト グランプリ2010 準グランプリ、ウエディングフォトアワード2013 単写真部門 金賞、ウエディングフォトアワード2013 組写真部門 金賞、ウエディングフォトアワード2014 単写真部門 金賞、明治安田生命マイハピネスコンテスト2014 マイハピネス賞(TVCM放送)、ウエディングフォトアワード2015 単写真部門 金賞、関西御苗場レビュアー賞 テラウチマサト氏。個展:2020年 祝!結婚(フジフイルムスクエア/東京)グループ展、2012年 JWPA Photo Exhibition(横浜みなとみらいギャラリー)、2017年 Weddings(京都文化博物館)。
姫野希美
赤々舎代表取締役・ディレクター。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。青幻舎を経て、2006年に赤々舎を設立。写真集、美術書を中心に刊行。志賀理江子、岡田敦、浅田政志、高木こずえ、百々新、石川竜一、藤岡亜弥の木村伊兵衛写真賞受賞作となる写真集を数々生み出すなど、話題の写真集を精力的に出版している。www.akaaka.com
説得力のある作品制作のためのコンセプトメイキングと実践|10/22(木)19:00-20:00
戦争や災害の影響を受けた人々に焦点を当てた長期的なドキュメンタリープロジェクトに取り組み、世界報道写真賞をはじめ、様々な国際的な賞を受賞。そのような国際的に評価されている作品を制作している小原さんに、国際的に通用する説得力のある作品に仕上げる為の考え方と具体的にどのように実践してきたかについてレクチャーしていただきます。
小原一真
1985年岩手県に生まれる。日本を拠点に活動する写真家・ライター・ブックデザイナー。ロンドン芸術大学大学院フォトジャーナリズム修士課程修了。戦争や災害の影響を受けた人々に焦点を当てた長期的なドキュメンタリープロジェクトに取り組み、国内外で個展を開催、写真フェスティバルにも多数参加する。2016年よりストーリーテリングを主軸においた本造りのワークショップを開催。主な写真集に「Reset (Lars Müller Publishers/2012/スイス)、「Silent Histories(RM/2015/メキシコ)」、「Exposure (RM/2017/メキシコ)」など。世界報道写真賞をはじめ、様々な国際的な賞を受賞する。
写真家のための広報講座 ~発信力を高めるメディア戦略~|10/23(金)20:00-21:00
2015年リトルモアより写真集『しかしか』を刊行後、フォトフェスティバルの招待作家として海外でも多くの展示を開催。一方、外資系企業の広報として、20年担当されてきた石井さんに写真家としてのセルフプロデュースの際に重要なインタビューを受ける時のコツや、プレスリリースの作成するときのポイントなどを中心としたメディア戦略についてお話を頂きます。
石井陽子
山口県生まれ。神奈川県在住。2011年より、奈良、宮島などで人の街に棲み、人間たちの決めた境界線を軽やかに越えて街を闊歩している鹿たちを捉えたシリーズを開始。現在は、北海道から沖縄まで全国に撮影エリアを広げ、神の遣いから害獣まで棲む場所によって変わる鹿と人間のアンビバレントな関係を描いている。2015年リトルモアより写真集『しかしか』刊行。2016年に銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロンで写真展「境界線を越えて」を開催。フランス、ドイツ、ニュージーランド、マレーシアなど海外でも多くの展示を行なってきた。外資系企業で広報として20年以上にわたりプレスリリースの執筆、ジャーナリストの取材対応や、スポークスパーソンへのメディアトレーニングなどを担ってきたPRのプロでもある。2018年より「写真家のための広報講座」を開催し、他に類のないレクチャーとして好評を博している。Website:
yokoishii.com FACEBOOK page:
www.facebook.com/yokoishiideer
御苗場をキッカケとしたギャラリー所属作家までのプロセス|10/24(土)20:00-21:00
TEZUKAYAMA Gallery所属として活躍している高倉大輔さんは2015年のパリのルーブル美術館の地下で行われたフォトフェア「fotofever」のメインビジュアルとしてポスター・カタログに作品が使用され、2019年、2020年には日本最大の写真の祭典「CP+」のメインビジュアルを2年連続担当しています。
Akio Nagasawa Gallery所属として活躍している山内貴元さんは、2015年に御苗場で年間グランプリを受賞し、写真集「From Dask」を出版。2020年には写真集「Vortex」をCASE Publishingより出版し、同時にギャラリーの所属作家となりました。
御苗場がどんなキッカケとなったのか、その後、どのような行動を通してギャラリー所属の作家となったのか。ギャラリー所属の作家としての活動についてお話頂きます。
高倉大輔×山内貴元
高倉大輔
1980年生まれ、写真作家。バックボーンである演劇的な手法に基づき、個人の想像力とコミュニケーションのレイヤーにより拡張される日々の多面性や可能性、そこから立ち現れる(或いは見過ごされる)物語の表現をコンセプトとする。2013年、御苗場vol.13関西にてTEZUKAYAMA GALLERY松尾良一氏レビュアー賞受賞。TEZUKAYAMA GALLERY所属。fotofever PARIS 2015 メインビジュアル、CP+ 2018,2019 キービジュアル、日本カメラ 2020年2月号表紙などに作品が使用されている。
www.casane.jp
山内貴元
アメリカ留学時にBarat College of Depaul Universityやシカゴ美術館付属美大、International Center of Photography等で写真を学ぶ。帰国後、個展開催や写真集 ”from dusk”(TIP Book)、”till dawn”、”VORTEX” (Case Publishing)が出版されるなど、東京を拠点に精力的に創作活動を行う。人間の深層心理を色濃く投影したモノクロ作品が特徴。Akio Nagasawa Gallery所属。
写真は美術か?写真とアートの境界線について|10/29(木)19:00-20:00
写真は美術分野の一翼を担うメディアとして、近年の美術館のコレクションにおいても重要なパートを占めるようにもなりました。だからと言って、美術館が写真のすべてのジャンル(肖像写真、風景写真、家族アルバム、観光写真、報道写真等々)を満遍なく対象にしてきたわけではありません。日本の美術館で写真が扱われるようになる初期の時代から、携わってきた天野さんに写真とアートにある壁や境界線についてレクチャーをしていただきます。
天野太郎
横浜市民ギャラリーあざみ野 主席学芸員、札幌国際芸術祭2020統括ディレクター。 多摩美術大学、女子美術大学、国士舘大学、城西国際大学 各大学非常勤講師。北海道立近代美術館勤務を経て、1987年の開設準備室より横浜美術館で国内外での数々の展覧会企画に携わる。『横浜トリエンナーレ』でキュレーター(2005年 2011年※ 2014年※ / ※はキュレトリアル・ヘッド) を務めたほか、横浜美術館での担当展覧会に、『戦後日本の前衛美術』展(1994年)、『ルイーズ・ブルジョワ』展(1997年)、『奈良美智 I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.』展(2001年)、『ノンセクト・ラディカル 現代の写真III』(2004年)、『金氏徹平:溶け出す都市、空白の森』展(2009年)、横浜市民ギャラリーあざみ野での担当展覧会として、『考えたときには、もう目の前にはない 石川竜一』(2016年)、『新井卓 Bright was the Morning一ある明るい朝に』(2017年)、『金川晋吾 長い間』(2018年)など多数。
写真作家活動におけるコレクティブの可能性|10/30(金)19:00-20:00
Culture Center(宇田川直寛×大山光平×Ryu Ika)
アート・コレクティブ、キュレーター・コレクティブと呼ばれるようなグループを形成し、流動的に機能するコレクティブとしての活動があります。写真でコレクティブの活動している「緩やかに個々同士が変則的に結びつき、カルチャーセンターとして行為を行う、あるいは、個々人の勝手な活動がカルチャーセンターを通り過ぎながら行われる、そんな繋がりを目指しています。」という若手写真家集団のCulture Centre/カルチャーセンターから、宇田川さん、大山さん、Ryu Ikaさんをお呼びして、コレクティブとしての活動について、個々が独立していながら集団としての活動やコラボレーションの重要性や魅力についてお話しいただきます。(Culture Center / 池崎一世、宇田川直寛、大山光平、岸田紘之、佐藤麻優子、築山礁太、中野泰輔、長谷川億名、藤江寛司、細倉真弓、村上由鶴、横田大輔、吉田和生、Ryu Ika、渡邊聖子)http://culturecentre.cc
宇田川直寛
宇田川直寛、東京で活動。近年はどのようにしたら作ることができるのか?という作品制作と作家にまつわる事柄自体を作品として発表している。
主な受賞歴に、2015 年「Foam Talent Call 2015」、2013 年キヤノン写真新世紀佳作(佐内正 史選)、第8回写真 「1_WALL」ファイナリスト。
大山光平
出版レーベルNewfave主宰。これまでに横田大輔、題府基之、小林健太らの写真集を刊行。Offprint Paris、Offprint London、NY Art Book Fairなど国内外のブックフェアに多数参加。2014年、2015年にはParis/Aperture Photo Book Awardsにて『Vertigo』『Mass』がそれぞれショートリスト。2017年に雑誌アイデアにて写真家へのインタビューによる「写真と画像の分水嶺」を連載。https://newfavebooks.com
Ryu Ika
中国、内モンゴル生まれ。2018年パリ国立高等美術学院協定留学。2020年武 蔵野美術大学卒業。2019年第21回写真1WALLグランプリ、2019年T3 Photo Festival Tokyo2020 ベストポートフォリオ。最近は自分を通して見ると見られる関係で写真と世 界の在り方について作品制作中。
あれからーールワンダ ジェノサイドから生まれて|10/31(土)14:00-15:30
1994年、アフリカのルワンダで、およそ80万人もの人々が虐殺されるというジェノサイドが起こりました。その中で大勢の女性たちが性暴力の犠牲となり、その結果およそ2万人の子供たちが生まれたという事実はいまだ広く知られていません。2006年にルワンダを訪れ、偶然この事実を知った写真家のジョナサン・トーゴヴニクは、自ら女性たちにインタビューを行い、親子のポートレートを撮影して、日本語版『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(竹内万里子訳、赤々舎、2010年)にまとめました。
そして、今年7月に赤々舎より出版された『あれから ─ ルワンダ ジェノサイドから生まれて』は、前作から10年後、ジョナサン・トーゴヴニクが再び現地を訪れ、2回目のインタビューと撮影を行いまとめたものです。本作では成長して自らの出生の経緯を知った、子供たちのインタビューも収録されています。本作の企画と翻訳を担当された竹内万里子さんに、本プロジェクトについてレクチャーしていただきます。
竹内万里子
早稲田大学政治経済学部卒業(政治学)、早稲田大学大学院修了(芸術学)。2008年フルブライト奨学金を受け渡米。「パリフォト」日本特集ゲストキュレーター (2008年)、「ドバイフォトエキシビジョン」日本担当キュレーター(2016年)など、数多くの写真展を企画制作。国内外の新聞雑誌、作品集、図録への寄稿、共著書多数。訳書に『ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(ジョナサン・トーゴヴニク、赤々舎、2010年)、その続編『あれから−ルワンダ ジェノサイドから生まれて』(日英対訳、赤々舎、2020年)など。単著『沈黙とイメージ 写真をめぐるエッ セイ』(日英対訳、赤々舎、2018年)は米国の「PHOTO-EYE BEST PHOTOBOOKS 2018」に選出された。現在、京都芸術大学教授、美術工芸学科学科長。