受賞作品は台北、ニューヨーク、ダブリン、東京を巡回

【Grand Prix Winner】

キム・スング「Better Days」

©Seunggu Kim

この度 TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY は、United Photo Industries(ニューヨーク・米国)の協力のもと、6回目と なる東京国際写真コンペティション(TIPC)を実施致しました。本年の公募作品テーマは「必要性 / 欲求」。全世界の写真家を対象 とした本コンペに応募された作品は、天野太郎氏をはじめ、アレッシア・グラヴィアーノ(Vogue Italia)など計12名の国際的に活 躍する写真プロフェッショナルたちが審査を行い、8名の受賞者を決定。そのなかから1名が選ばれるグランプリは、韓国出身の写 真家キム・スング(Seunggu Kim)氏の作品「Better Days」に決定しました。
受賞作品は、4月12日から台北にて開催される Wonder Foto Day を皮切りに、5月1日より PhotoIreland Festival 2019、その後、 ニューヨークを経て、東京へと巡回展示されます。

■グランプリ作品:ステートメント
韓国は過去40年以上に渡り急速に発展をしてきました。その結果、皮肉ともよべる社会現象が多数生まれています。例えば、長時間 労働に対する、非常に短い休暇。韓国でも人々は休暇を楽しもうと最善を尽くしますが、旅行をする時間がないために、主に都市部 で時間を過ごします。そのため、ソウルとその近郊のレジャー地では、そういった人々を楽しませるために趣向を凝らします。そこ にあるのは西洋と韓国文化が混ざりあった風景。「Better days(より良い日々)」は、短い休暇を楽しむための韓国人的視点・光景を 表現しています。

■グランプリ作家:キム・スング プロフィール
1979年韓国ソウル生まれ。SM University にて写真を専攻。韓国国立芸術大学でビジュアルアートを学ぶ。人々の暮らしを表現する ことに興味を持ち、写真は「現実の世界」を示すことができる手段と考えている。長方形の枠の中で、不自然な要素のバランスを取 り、私たちが慣れ親しんでしまっている社会的な皮肉を風刺したいと考えている。過去の展覧会にアートビットギャラリー、ポスト テリトリーウジョンクック、ソンウンストレージ / ソンウンアートキューブ、京畿近代美術館、ソウル美術館、BMW フォトスペー スなど。過去の受賞歴に、レンズカルチャーのファイナリスト、ソウル芸術文化財団など。

■7名の受賞者(順不同)
LebohanKganye- 南アフリカ
Diambra Mariani -イタリア
ミナミ・ノリタカ – 日本
MariaSturm– ルーマニア
AnthonyBila– 南アフリカ
JaakkoKahilaniemi- フィンランド
BoyuanZhang– 中国

各作家の作品はこちら→TIPC公式サイト

TIPC 6th Edition 審査員

● AlessiaGlaviano ー フォトディレクター /VogueItalia(イタリア)
● Ángel Luis González Fernández ー フェスティバルファウンダー / PhotoIreland(アイルランド)
● OluremiC.Onabanjo ー キュレーター /ScholarofPhotography(米国)
● 天野太郎 ー ディレクター / Sapporo International Art Festival(日本)
● Jennifer Samuel ー フォトエディター / National Geographic(米国)
● MaryAnn Camillieri ー ファウンダー / Magenta Foundation(カナダ)
● Vignes Balasingam ー フェスティバルディレクター / Obscura Photo Festival(マレーシア)
● Siobhán Bohnacker ー シニアフォトエディター / The New Yorker(米国)
● ファン・イェン・ウェン ー ディレクター / Wonder Foto Day(台湾)
● Angelika Hala ー フォトエディター / stern Magazine(米国)
● Clinton Cargill ー ビジュアルディレクター / Vanity Fair(米国)
● Silke Schmickl ー キュレーター / National Gallery Singapore(シンガポール)

テーマ:「必要性 / 欲求」に関するステートメント
人が生きる上で必要なものはなんでしょう?ある人は、食糧、水、住居、人間関係といった比較的少数なものと主張するかもしれ ません。一方で、私たちの多くは、そんな基本的なニーズ以上の欲求や願望を持っています。ニーズとは異なり、ひとりひとりの欲 求は多種多様です。車、家、高価な腕時計、宝飾品など、「モノ」を欲しがる人もいれば、遠くへ旅すること、高い山の頂を目指すこ となど、人生を豊かにする「体験(コト)」を求める人もいます。
辞書の定義によると、「欲求」は、「心理学で生活体に生理的・心理的な欠乏や不足が生じたとき、それを満たすための行動を起こ そうとする緊張状態や要求」として定義され、「必要」は、「どうしてもしなければならないこと。また、そのさま」とされています。 テクノロジーと資本主義が唸り声をあげるこの時代。「欲求」が強まり、それが「必要」なものと誤解されるとき、対となるこの2つ の概念の差異はこれまでになく、ぼやけています。
第六回を迎える今年度の東京国際写真コンペティションでは、作家が写真で捉えた「必要性(Need)」と「欲求(Want)」の間、 そこにある物語を募集しています

■主催:一般社団法人 TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY
■共催:United Photo Industries
■協力:Wonder Foto Day / PhotoIreland
■メディアパートナー:PHaT PHOTO / LensCulture