本講座は「手が写っている写真」を通して、写真の構図や色、ディテールを注意深く見つめ、写真から見て取られることを言葉にして伝えることを試みるレクチャーとワークショップです。


手の状態や仕草は、写されている人物の感情や置かれている状況を雄弁に語りかけてきます。写真を丹念にに見つめることで、写真から受ける印象を漠然とした状態にとどめておくのではなく、なぜその写真に惹きつけられるのかをその理由も含めて伝えられるように、写真を見る経験を言葉で言い表すプロセスを学んでいきます。さらに実際に自分の手を撮影し、撮った写真を選んで文章を書くことで、写真と文章を組み合わせたエッセイを書いて発表します。

写真を見る、撮る、選ぶ、文章を書くという一連の流れの中で、写真に対する見方や写真と言葉を用いた表現への理解を深めていきます。ワークショップでは課題制作の過程でInstagramを利用し、共通のハッシュタグを用いて画像を投稿し、受講者同士でワークショップのプロセスの体験を共有します。

<レクチャーとワークショップの流れ>

5月16日(日)
講師と受講者の自己紹介。
レクチャー:19世紀から21世紀まで写真史を通覧し、手の写っている写真を通して写真の技術的な進歩や表現の特徴、作品の見どころ、分析の仕方を学ぶ。(スライド 配布資料あり)TIP蔵書の写真集の紹介 手の写真に注目しながら、写真集の見どころを探る

課題1説明 レクチャーの内容を踏まえて、「手の写真」を選び、その写真について観察・分析して、文章で表現する。(1,500-2,000字程度)
課題2説明 自分の手の写真を撮影し、Instagramのアカウントに指定したハッシュタグをつけて投稿。投稿した写真の中から5点を選び、エッセイを書く。(2,000−3,000字)

6月 6日(日)
課題1 発表(受講生が選んだ「手の写真」)の発表。
講評 受講者の発表を受けて、講師が関連作品を提示し、観察と分析を深める。
受講者全員でディスカッションを行う。

6月27日(日)
課題2 発表及び講評。そして全員でディスカッション及びまとめ。 


こんな方にお薦めします
・写真による表現活動があり、ステートメントや作品分析など文章力を高めたい方、
・ブログ/ SNS/ 小説/web/ レポート等、文筆活動に興味のある方
・写真のリテラシー、写真と言葉の表現の関係への理解を深めたい方
・アート鑑賞が好きで、レビューや感想を書きたい方

開催概要
*zoom を使用しての講師からの講義及び参加者全員がデスカッションを行う「ゼミ方式」となります。
*課題1及び課題2の提出が必須になります。提出方法の詳細については、初回で説明します。(手の写真の撮影で使用するカメラの種類は問いません)
*欠席者はレクチャー、ワークショップの内容をzoom 録画にて後日視聴できます(一定期間限定)

参加条件
★Instagram のアカウント(既存、および 新規アカウント。どちらでも可)
★オンライン環境のある方(zoomを利用)
※入室URLは初回開催の前日12:00にメールにてお送りいたします。

日程
5月16日(日)/6月 6日(日) /6月27日(日)
*時間:3回とも日曜日の10:00〜11:30(90分)


参加費 (3回講義)
18,900円 (税込)T.I.P. 会員
21,000円 (税込)一般

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場所:オンライン
定員:8名(最少催行人数 6名)
※ T.I.P.会員の割引チケットを使用の方は申し込み前に事務局までご連絡ください。
※開催の10日前からキャンセルチャージ(参加費の100%)が発生します。あらかじめご了承ください

講師プロフィール:小林美香(写真研究者)

 写真やジェンダー表現に関連する記事の執筆や、翻訳を行うほかに、レクチャー、ワークショップ、展覧会の企画、コンサルティングなどを手がける。2007-08年にAsian Cultural Councilの招聘、及び Patterson Fellow としてアメリカに滞在し、国際写真センター(ICP)及びサンフランシスコ近代美術館で日本の写真を紹介する展覧会/研究活動に従事。2010年から2019年まで東京国立近代美術館客員研究員を務める。

関連リンク: 講師による「手の写真」についてのエッセイ

・Phat photo magazine 2021.3.29
「スマホの中の私の日常 Vol. 1  小林美香」

・Sigma Sein に寄稿した手の写真をめぐるエッセイ
鬼海弘雄「PERSONA」
藤岡亜弥「私は眠らない」
石内都「1・9・4・7」
奈良原一高「王国」
鷹野隆大「In My Room」

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