0. はじめに

自分の作品を世の中にどう届けていいかわからない。
新進作家だけでなく中堅の作家においてもそうした声が増えてきています。
SNSなどで発信が簡単になったににもかかわらずそうした声が聞こえるのはなぜなのでしょうか。
その課題の根底にあるのは、撮り手(プロダクション)に対して、送り手(サーキュレーション)が圧倒的に不足をしている状況にあります。

かつて日本では「雑誌」というメディアを舞台に、写真家、編集者、デザイナーがチームを組んで作品を発表していくという場が存在していました。しかし、雑誌媒体は衰退し、代わりに台頭したのがインスタグラムをはじめとしたSNSでした。

しかし編集者という「目利き」の代わりを、SNSのアルゴリズムは担ってはくれませんでした。「どれだけその写真が素晴らしいか」よりも「どれだけSNSに滞在をしてくれる」か優先されるアルゴリズムを中心に回るSNSは、写真家のためのプラットフォームになりえません。結果、多くの作家たちが発表の場を失ったと感じています。

では、写真を表現媒体として選んだ作家たちにとって、いったいどんな選択肢や可能性があるのでしょうか。この問題は国内だけに限らず世界中の写真家たちが、共通して抱える課題となっています。
そして、その1つの答えとして「写真集」がある、というのが世界の潮流です。
本講座は、その写真集における世界的な第一人者であるメアリー・バージニア・スワンソンによる日本初の講座となります。
もちろん、授業中は同時通訳付きです!

PYPB Cover_Workbook_IMG_4539
PYPB featured book SONJA THOMSEN
PYPB_Books_Spread_IMG_4524
PYPB3 SkG Essay
PYPB3_Bindings_IMG_4518
PYPB3_Borissova_IMG_4516
PYPB3_IMG_4381
PYPB3_soitgoes_IMG_4507

1. この講座で何か学べるのか?

今回「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」の企画として講師に招くメアリー・ヴァージニア・スワンソン。彼女とダリウス・D・ハイムズの共同著書「Publish Your Photography Book」は、世界で最も読まれている写真集出版の本として知られています。

「写真集を出版する」と聞くと、「出版社に相談をしてお金をかけて作る本」を想像してしまうかもしれません。しかし、ここで言う「写真集」の定義はむしろ「印刷物(printed matter)」に近いものです。そこにはZINEやニュースペーパープリント、あるいは手製本によるアーティストブックなど、多様なものが含まれます。

本講座では、「写真集出版」という切り口で、写真集制作において知っておくべき知識を包括的にレクチャーします。
紙の選択や印刷方法、製本、綴じ方などを知ることがいかに作家の表現領域やコントロールできる範囲を拡張できるのか。また、それぞれのキャリアステージにおいてどのような機会があるのかなどを3時間にかけてぎっしりとレクチャーします。さらに参加者ひとりひとりのプロジェクトに対して、事前にすべての作品とステートメントをレビューした上で個別のフィードバックを実施

スワンソンが日本の作家に向けて行う大変貴重な機会となります。

© Molly Peters
© Molly Peters

2. この講座を受けることで大きなメリットを得られる人

本講座は以下にあてはまる方に向けて作られています。

1) すでに出版社から写真集を出している方。またはZINEやダミーブックなどで作品を作ったことがある方。

2) 作品の編集や並べ方に満足していない方。これから写真集を出版し流通させたいと考えている方。出版の前に写真集の世界的な潮流を知っておきたい方。

3) 制作に真剣に取り組んでいる作家で、キャリアにおける次のステージを目指すために写真集出版という選択肢について理解を深めたいと考えている方。

4) プロジェクトは出来上がっているがまだ作品集を制作したことがない方。写真集制作における多様な表現方法の可能性について知りたい方。

5) 販売、自費出版、手製本のアーティストブック、モノグラフ、展覧会カタログなど、市場のトレンドについて最新情報を知りたい方。

3. 講師紹介

© Jamey Stillings
© Molly Peters

Mary Virginia Swanson
メアリー・バージニア・スワンソン
web site:www.mvswanson.com
Instagram:@maryvirginiaswanson

著者、教育者、アドバイザー。写真家が自身の作品の強みを見つけ、ターゲットを特定し、プロフェッショナルな手法で作品を発表する活動を支援している。
また、写真の展示、ライセンス取引、マーケティングのほか、アーティストが書籍で作品を紹介する方法について、豊富な指導経験をもつ。
主な経歴として、アンセル・アダムス設立の写真教育団体「Friends of Photography」で教育プログラムを担当。マグナム(NYC)の特別プロジェクトを手がける。
また、ファインアートの写真家のライセンスを管理する独自のエージェンシー「Swanstock」を設立。

https://youtu.be/Md6YzcF6shs

スワンソンは、現代写真、フォトブック、フォトブック原型のコンペティションで審査員を務め、業界の祭典でポートフォリオレビュアーとしても活躍しています。オンラインコースや講義、対面のグループワークショップ、プライベートなメンタリングを通じて、学習の機会を開発・提供しています。スワンソンは、写真教育協会からの栄誉ある教育者賞や、グリフィン美術館からの写真の生涯功績に対するFOCUS賞など、業界から多くの称賛を受けています。
また、Darius D. Himesと共著の評価されている「Publish Your Photography Book」の共著者でもあります。2023年に更新された第3版(Radius Books)では、この本が数多くの写真家が自分のプロジェクトを出版する手助けをしました。この本の専用ウェブサイトでは、32ページのワークブックを含む、写真家が出版や自己出版の道のりで役立つ多数のダウンロード可能な出版リソースを提供しています。

ウェブサイトはこちら:www.publishyourphotographybook.com

スワンソンは、アメリカのアリゾナ州ツーソンに居住しています。

© Molly Peters
© Molly Peters

4. スワンソンのワークショップの過去参加者の声

photographer
木戸孝子さん
photographer
Xuan-Hui Ngさん

https://youtu.be/bNJwQoOCpYwhttps://youtu.be/-4Q4589FNK4

《木戸孝子さんプロフィール》
1970年、高知県生まれ。2003年、ニューヨークのICP卒業後、白黒銀塩写真プリンター、リタッチャー、高知新聞への連載などを行いながら、自身の作品制作、発表を行う。

2008年、日本に帰国。現在、高知県に在住し、国内外で個展、グループ展に参加し、作品を発表する。写真集に東日本大震災の被災地を撮影した”The Unseen”(2021年)。

2021年、Photolucida Critical Mass 2021 Top 50 Photographersに選ばれる。
2022年、Women Photograph グラント受賞。LensCulture Summer Open 2022優勝。
2023年、Daylight Photo Awards 優勝。

アーノルド・ニューマン賞ファイナリスト。

Website: https://www.takakokido.com
Instagram:@takako.kido

Xuan-Hui Ngさんプロフィール》
シンガポール出身、現在は日本に在住。マサチューセッツ工科大学で経済学の理学士号を取得。
作品はテキサス州ヒューストンのKoslov Larsenギャラリーに所属しており、2021年にデビュー個展を開催。2023年12月に個展「Transcendence: Awakening the Soul」をグリフィン写真美術館、2024年1月にWinCamギャラリーで開催。
2021年、2022年、2023年のCritical Massのファイナリストに選ばれ、第20回Julia Margaret Cameron Awardのネイチャーカテゴリーでシリーズ作品と単写真の両方で受賞している。
fotoMAGAZIN、PetaPixel、ON landscape、forum naturfotografie、Dodho Magazineなどの出版物でも取り上げられている。
2022年には、BBCワールドサービスの「Cultural Frontline」の「Creativity and Mental Health」に関するインタビューを受け、ELEMENTSランドスケープ写真雑誌の寄稿者であり、Santa Fe Workshopsのインストラクターでもある。

Website: www.xuanhuing.com
Instagram: @xuanhui_ng

5. スケジュールと参加費用

日程と内容:※6/9 開催時間が午前中に変更となっています
1日目|2024年7月13日(土)10:00~13:00 講義
2日目|2024年7月14日(日)10:00~13:30 講評(最大7名)
3日目|2024年7月15日(月)10:00~13:30 講評(最大7名)
※2、3日目は人数によって終了時間が変わります。
※スワンソンからの個別のフィードバック(録音データ)を講座終了後に提供します

参加費用:
一括振込|60,000円(税込)
クレジットカード一括支払い|63,000円(税込)
クレジットカード分割払い|31,500円×2回=63,000円(税込)
※3日通しチケットのみの販売となります。

最大人数:14名限定

6. 受講の為に準備しておくこと

今回の講座を最大限に活用いただくために、参加者の方に事前の準備をお願いしています。

ご自身のプロジェクトを再度見直し、今後どのようなプロジェクトにしていきたいのか、悩んでいるポイントやスワンソンに聞きたいことを事前に整理してください。。
•事前にできるだけ多くの写真集を見て、ご自分なりに「良い本とは何か」について考えてみてください。
•ポートフォリオレビューなどでも必須のスキルになりますが、講座の際に時間内に話せるよう、ご自身の
作品やプロジェクトについてプレゼンテーションをする練習をしてください。

今回の講座では初日のレクチャーに加えて、通常1セッションあたり300ドルという金額で開催されるスワンの1on1に参加し、他の参加者のフィードバックも聴講できる貴重な機会となります。
是非、この機会を逃さずご参加ください。

7. お申込み方法

以下のボタンより、ご希望のお支払い方法のチケットをお申込みください。


お申込みはこちら

8. オンラインツール、注意事項、キャンセル規定

参加方法:
お互いに顔を見ながらリアルタイムで授業を行うことができるZOOMという会議ツールを利用して実施します。チケットをご購入いただき、お支払いが完了したのち、入室のURLをPeatixよりメールにてお送りいたします。
開始時刻の5分前に待機していただくようお願いします。

ZOOMアプリについて:
本講座では、Zoomというオンライン会議システムを利用します。
パソコン・スマートフォン・タブレットでご利用可能です。
インストール・ご利用ともに無料、所要時間2分ほどで準備が完了しますので、事前にZoomアプリのインストールいただくとスムーズにご参加いただけます。
※操作とログインの方法・基本操作はこちらの動画をご参考にしてください。
https://youtu.be/hnAD7KdKSKM
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆ パソコンで繋げる: https://zoom.us/client/latest/Zoom.pkg
◆ iPhone/ipadで繋げる: https://apps.apple.com/us/app/id546505307
◆ Androidで繋げる: https://play.google.com/store/apps/details?id=us.zoom.videomeetings&hl=ja
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※特記事項※
・PCで参加される場合は、 ミーティングのURLにアクセスしていただくと自動でZoomの ソフトがインストールされます。
・PCにカメラ、マイクがついているかご確認ください。特に、 マイクがない場合は音声を聞くことしかできませんのでご注意くだ さい。
・スマートフォン、タブレットであれば、 事前にアプリをダウンロードしておいていただけますとスムーズです。
Google Play StoreやApp Storeで「ZOOM Cloud Meetings」と検索してください。

※ZOOMの使い方がまとめられたページはこちら※
https://zoomy.info/manuals/ what_is_zoom/

ご注意事項:
・当日の様子を動画にて記録させていただきます。講座後に参加者へ限定公開する場合がございますので、
 顔出しがNGの方は講義中のビデオ機能をオフにしてご参加ください。

・お支払いはクレジットカード、ペイパル、コンビニ・ATM決済でしていただけます。
 当日現金払いはお受けできません。
・コンビニ・ATM決済の場合は3日以内にお支払いください。
 期日までのお手続きがない方は自動キャンセルとなりますのでご注意ください。
・講座スタート後のキャンセルや、連続講座にて、受講者様の都合でご参加いただけなかった回がある場合
 ご返金は致しかねますので予めご了承ください。

キャンセル規定:
※以下のキャンセルチャージが発生します。
・開催の5日前~当日:参加費の100%
・開催の6日前~10日前:参加費の50%
※また、以下の場合は返金手数料としてキャンセル1件につき500円の手数料が発生します。
(1)クレジットカード払いにて支払日から50日以上経過している場合
(2)コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合
※自動キャンセルになりませんので、ご希望の際には事務局までお電話もしくはメールにてご連絡ください。

お申込みはこちら

以下のボタンより、ご希望のお支払い方法のチケットをお申込みください。


お申込みはこちら