【72Gallery】FEMALE POWER best of Jeanloup Sieff



1994年、青山ベルコモンズで開かれた「ジャンルー・シーフ、モードへの視線」の会場で、来日していたシーフと偶然話しをしたことがあります。プリント技術に関して僕が質問をし、シーフが答えるというものでした。シーフのプリント表現のこだわりは、バライタ印画紙のトーンの違いやゼラチンシルバープリントの銀塩粒子による格調高さなど、独立して3年目の僕にとって、とても興味のあるものでした。その後、パリにあるスタジオ見学(最終的に行くことは出来ませんでしたが)などを通して、シーフとの心理的距離は近づいていきました。

今回、ここ京橋に開く 72 Gallery のオープニングにあたり、幸運にもシーフのオリジナルプリントを展示できることは特別な感謝の思いがあります。
2000年、世界的写真家の名声を残しつつ、突然のように他界したシーフですが、この作品群に囲まれていると、シーフの強く心地いい息吹を感じます。シーフ固有の力のある垂直画面と広角レンズの巧みな表現、モノクロ写真芸術の真髄を感じることが出来ます。すべてサイン付のオリジナルプリントを、シーフや家族との交流が深かった倉持和江さんが、我々のために、我々らしい作品としてセレクトしてくれました。感謝いたします。
どうぞ、ごゆっくりご鑑賞下さい。
また、開催にあたりご協力を賜りました企業、団体、多くの関係者の方々に深くお礼申し上げます。

Tokyo Institute of Photography
72ギャラリー テラウチマサト 


■Jeanloup Sieff <ジャンルー・シーフ>
1933年パリ生まれ。1955年にフランス版「ELLE」誌の写真リポーターとしてデビュー、短期間だがマグナム・フォトにも所属しルポタージュを得意とした。1960年代より「VOGUE」「Esquire」など世界的ファッション誌でも活躍、70年代からはヌードやポートレートにもジャンルを広げ女性がモチーフの作品には根強い人気がある。現役活動中であった2000年に急逝。モノクロ写真の名作を数多く遺す。

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